日本童謡学会

童謡で「日本の未来」を創造する
日本童謡学会名誉総裁 寛仁親王妃信子殿下 Message 日本童謡学会理事長 海沼 実 Message

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   大正時代に誕生した「童謡は、学校唱歌に欠けた情操教育、つまり「心の教育」を目指した文学者たちの「赤い鳥童謡運動」から始まりました。この文学運動に好意的だった当時の作曲家たちは、音韻や抑揚を活かした旋律を創り出し、作品に新たな息吹きをもたらします。当時、運動に参加した文学者、あるいは音楽家には、営利的野心など毛頭なく、真に「子どもたちのため」をスローガンに集った、純粋な仲間だったと言えましょう。
もともと音楽偏重でなく、高い文学性をも併せ持った童謡には、歌いながらにして読解力や想像力を養えるだけでなく、思いやりの心を育む道徳教材的な一面もありました。
また、そのテーマは歴史や地理など広範囲に及ぶことから、単なる知識偏重でなく、また音楽や歌曲といった枠にも囚われない、言うなれば「心の栄養素」であったと言っても過言ではありません。
ちなみに日本の戦後教育は、先進国として唯一「母国語の発音教育」を学校カリキュラムから放棄してしまいましたが、戦前までは、その一端を唱歌や童謡が担っていたという事実を知る人は少ないはずです。
日本童謡学会は、文学運動を起点に創始された「童謡本来の魅力を再興し、広く家庭教育、学校教育、社会教育の場で活用を促進することで、次世代に不可欠な「心豊かな人格形成」を目指します。私たちの童謡運動が、日本の素晴らしい未来の礎を構築していくであろうことを心より願ってやみません。